建築のコツ
1.5から現地価格の導入により難しくなった建築のTipsです。
もくじ
ポイント
さきに結論となるポイントを2点覚えておきましょう。
・鉄鉱山のあるところに建築局を建てよう!
・消費地から逆算して建築場所を選ぼう!
バージョンアップの影響
まずはバージョンアップによる影響から見てみましょう。Ver1.5からシステムに大きく変更がありました。建築に関するおもな変更点は次の5つです。
- 現地価格
- 建築コストの増加
- 企業
- 公害
- 資格取得の鈍化
「現地価格」は当時の流通の困難さを市場価格と現地価格の差であらわしていて、これにより施設の採算をしっかり考える必要が出てきました。
「建築コストの増加」はこれまでよりひとつの建築に時間がかかることを意味します。
「企業」は建築コストの増加を補う建築ボーナスがありますので、繁栄効果も合わせてよく検討しましょう。
「公害」は避けては通れませんが軽減することはできます。
「資格取得の鈍化」は雇用が埋まらない原因の一つです。人口が少なかったり、識字率の低い州では気にかけておきましょう。
初心者向け建築指針
現地価格の導入により、施設を建てる州によって収益が大きく変わるようになりました。そのためPOPがあまっているからと言って場所を選ばずに施設を建てても、収益が確保できずに雇用が埋まらないことがよくあります。まず基本は「1ステート内でサプライチェーンを完結させる」のを意識すると良いでしょう。
たとえば多くの国で最初に建てる「建築局」が消費するのは、
- 軟材
- 生地
- 工具(製法2段階目)
- 鉄(製法2段階目)
です。
このうち一番消費の多い「鉄」を中心に考えましょう。まだ財政的または技術的理由で建築局の製法を上げられない場合でも、将来的には確実に使いますので。
なのでまず自国内で鉄鉱山のある州を探します。もしなければ侵略してでも確保することも考えないといけないかもしれません。
鉄鉱山があり、人口もそれなりにあって、インフラも余裕がある州を見つけたとしましょう。まずその州を開発していきます。それが首都であれば言うことなしです。首都は政治力補正があるので実業家を育てやすくなりますので。
国内がある程度産業化されている国ならともかく、もし日本のようなほとんど産業化されてない国であれば、順序だてて建築していかないとなかなか施設の採算が取れずに、雇用が進まなくて悩むことになります。
そのためまず「伐採所」を建てて「軟材」を確保し、次に「工具工房」を建てて軟材を材料に「工具」を、そして「鉄鉱山」を建てて工具を使い「鉄」を用意、そして「建築局」でそれらを消費する…という順に建築していくのがスムーズです。
さらに伐採所は工具で、工具工房で鉄でそれぞれ増産できますので順次製法変更して数量のバランスを取っていきつつ、インフラの上限に達するまで1つの州で建築を重ねていきます。
そして財政の収入と支出が釣り合うまでこの流れを繰り返すことになります。慣れていれば多少の不足はなんとかなりますので、建築局を先にしたりと順番を工夫する余地もあります。ここまでは1ステートで完結しているので、現地価格の影響なくスムーズに雇用が進むと思います。
こうして基本的な建築力を確保したら、さらに国力を増強する施設を建築していきましょう。
すぐに戦争する予定があるのなら兵舎や海軍基地、そしてその装備を用意するための武器工場・大砲工場・軍造船所など。
技術開発や行政力を高めたいなら製紙工場・大学・行政府。
国民の生活水準を高めたいなら織物工場・家具工場・ガラス工房・食品産業など。農業施設については基本的に自動建築に任せておいて良いですが、Ver1.5からやや穀物不足になっていますので小麦畑や稲田などをいくつか建てても良いでしょう。
またこれらの建築局や兵舎、大学などの場所を問わない施設"以外"は「原則として消費地」に建てるのが良いでしょう。当然ですが加工施設は原料商品の合計より加工商品の合計の価値の方が高くなります。そのため加工商品の方が現地価格の影響を強く受けます。
ですので加工商品を消費する場所に建てるつもりで、その施設が使用する原料生産施設を建てる、と遡るように建築計画を建てるのがおすすめです。
もっとも原始的な原料、たとえば硫黄や鉛、絹などは必ずしもその州で確保できなくても問題ないです。原料商品が少々高くても加工商品が標準的な価格であればなんとか利益は確保できるはずです。
最初に挙げたポイントの振り返りです。
・鉄鉱山のあるところに建築局を建てよう!
・消費地から逆算して建築場所を選ぼう!
さて次はより詳しい仕組みを見てみましょう。
解説:現地価格とは
現地価格は当時の物流の困難さを表しています。これらの補正(ゲーム内用語では「市場アクセス価格への影響」)は以下の要素で決まります。
基本 | 75% |
(法律)伝統主義 | ー15% |
未編入州 | -10% |
証券取引所(T2) | 10% |
飛行船(T4) | 5% |
マクロ経済学(T5) | 5% |
河川地形補正 | 5% |
※インフラ使用が超過しているなど市場アクセスが100%未満のときは、市場価格補正がさらに強まる(現地価格補正×市場アクセス)
現地価格の計算式
「市場需給による価格×市場価格補正+現地需給による価格×(100%-市場価格補正)」
※需給による価格は需要:供給の比が2:1で基本価格の175%、1:2で25%になります
例)市場価格補正60%の日本で東北の伐採所の軟材を関東の工具工房で使用する場合
伐採所の売値:市場需給による価格20×60%+現地需要による価格5×40%=14
工具工房の買値:市場需給による価格20×60%+現地需要による価格35×40%=26
※簡易的に市場全体では需給が釣り合っており、その他POP需要などは無視するものとします
このように差額にして1単位当たり12もの利益が失われてしまいます。これは輸送時の喪失として誰の懐にもいかずに消えてしまう利益です。これによりGDPは本来よりも低くなり、施設の利益も減ることから賃金や利益配当も増えづらくなり、POPの生活水準が伸びない最大の原因となります。
原則としてこの市場価格補正の値は低いほど悪影響がありますので、なるべく早く上げることを考えたいです。
日本をまた例にすると、もっとも悪影響のある伝統主義を脱するために最初にロマン主義を研究して農本主義の導入に挑戦、そのあいだに次は証券取引所の研究を進めて補正値を改善するのもひとつの方法です。
農本主義の制定はかなり難しいですが、うまくいけば市場価格補正は60%から75%、そして証券取引所で85%へと先進国へ追いつくことができます。
その後の市場価格補正を改善する技術はかなり遠いので当面は考えなくて良いでしょう。
また現地価格の影響によって施設の生産性や資金の確保が難しくなっていますので、「手元資金25%以上」や「稼働率75%」などを要求するジャーナルの達成が難しくなっていることも気にかけておきましょう。
解説:建築コストの増加
建築コスト一覧(※数字はVer1.4以前から1.5への変化)50→100 | 建設局、兵舎、海軍基地 |
150→200 | 伐採所・家畜牧場・小麦畑・ライ麦畑・キビ畑・トウモロコシ畑・稲畑・ブドウ園・砂糖農園・バナナ農園・綿農園・絹農園・染料農園・タバコ農園・アヘン農園・茶農園・コーヒー農園・ゴム農園・漁港・捕鯨基地 |
300→400 | 鉄鉱山・石炭鉱山・鉛鉱山・硫黄鉱山・金鉱山・石油リグ・芸術院・港・行政府・大学 |
450→600 | 工具工房・織物工場・家具工場・ガラス工房・食品産業・製紙工場・武器工場・大砲工場・造船所 |
600→800 | 製鉄所・発動機産業・肥料工場・爆薬工場・電気産業・合成繊維プラント・軍需工場・戦争兵器産業・軍用造船所・鉄道・発電所 |
1000→2500 | 摩天楼・エッフェル塔・ビッグベン・泥のモスク・キリスト像・自由の女神 |
2000→5000 | スエズ運河・パナマ運河 |
全体的に3割超増えています。特に重工業系はランクも一つ重くなっていますので以前の倍近いです。鉄道も建築に時間がかかるようになったことも覚えておきましょう。
解説:企業
企業を上手に使えば建築効率をぐんと上げることができます。 企業の効果は2つあり、対応する施設の生産力や建築効率を上げる効果と特別な繁栄効果です。
企業はそれぞれ対応する施設を持っており、たとえば汎用林業会社は伐採所とゴム農園が対象です。対応施設に対して生産力ボーナスは威信順位に応じて10%~20%、建築効率ボーナスはおなじく威信順位に応じて25%~35%もあります。 このボーナスは企業を採用した段階で即友好になるので積極的に活用していきましょう。建てる施設に応じて企業を入れ替えていくのも良い手ですが、一度採用したら60ヵ月の間は無効にできず、廃止したあとは48ヵ月は再採用できないので注意しましょう。
また企業にはもうひとつ、高い生産性を保っていると繁栄度が貯まって100になると特別な効果を得られます。その効果は企業によって異なり、政治の安定や戦闘強化、研究促進など、他にはない強力なものもありますので積極的に狙っていきたいですね。
繁栄度は対応施設の生産性が世界平均より25%高いまたは£25を超える場合に毎週5ずつ上がりますので意識しておけば100まで貯めるのは難しくありません。また最大で200まで貯まり、生産性が世界平均より25%低いまたは£5より低い場合は毎週5ずつ下がっていきます。
企業の一覧は別のページにありますのでこちらからご覧ください。繁栄効果から企業を探すこともできます。
一度に採用できる企業の数は技術と法律によって変わります。
- 企業チャーター(T1)
- 株式会社(T2)
- 投資銀行(T3)
- 企業統治(T4)
- マクロ経済学(T5)
- (法律)レッセ・フェール
これらで各+1されますので最大で6つの企業を採用できます。また当然ですが最低1ないと企業を採用できませんので、日本などの技術の遅れた国では「企業チャーター」をいつ研究するか考えておきましょう。
解説:公害
産業革命と公害は切っても切れない関係にあります。公害は生活水準を下げ、死亡率を上げるなどなかなか厄介なものです。その影響は0%~100%で表され、
- 生活水準 0 ~ -3
- 移住求心力 0 ~ -10%
- 死亡率 0% ~ +50%
の悪影響があります。技術と医療制度でわずかに軽減され、
- 近代下水道で-10%
- 慈善病院または民間健康保険で-10% / 公共健康保険で-15%
だけ影響を緩和します。
公害の影響の計算式は、
「公害 = 発生合計÷{(50+1.5×√農地数)×255}」
となっており、州に建設可能な農地が多いほど軽減されるようになっています。設定ファイル上は隣接州にも25%広まるとありますが、おそらく機能してないようなので州内の公害発生量と農地数のみで決まります。
気にしすぎる必要はありませんが、可能なら工場の分散を心がけた方が良いでしょう。
その他のTips
Tips:建築を支える政府財政の改善
大きな建築力を保つには政府財政を気にかけておかないとなりません。財政の改善には収入の増加または支出の削減など様々ありますが、ここでは建築関係のみを取り上げます。
政府が直接支出する施設はいくつかありますが、次の3つが大きなコスト負担になります。
- 建築局
- 行政府
- 大学
これらで消費する商品(おもに軟材・鉄・紙)はできれば標準価格よりマイナスになるまで下げるように原料商品を生産するとコスト負担は大きく軽減されます。具体的には伐採所・鉄鉱山・製紙工場を同じ州に建てて、現地価格の影響も押さえるようにしましょう。
また現地価格の導入によって施設の利益は以前より減っています。そのため民間投資に必要な資金も枯渇しがちです。民間投資がなくなると建築力をすべて直接使える代わりに財政への負担もすべて抱えることになります。財政がプラスとマイナスを行ったり来たりするのが常になりますので、建設局の建て過ぎは危険です。
Tips:建築力ボーナス
企業の項目でも触れましたが、建築力ボーナスは建築の大きな助けとなります。
- 建築局の製法 ( 0.2%/0.4%/0.7%/1.0% )×建物数
- 道路整備の布告 +10%
- 汎用鋼鉄企業/タタ社の繁栄効果 +5%
- 対応施設の企業 +25% ~ +35%
特に企業の効果は大きいのでなるべく活用したいですね。
また征服地など社会不安が高いところでは原則は落ち着くまで待った方が良いですが、落ち着かせるために建築が必要な時は社会不安による建築力マイナスを軽減する、
- 武力鎮圧の布告 -50%
- 法執行機関 -15%×制度レベル
などを使用して影響を抑えましょう。法執行機関については編入州にしか効果がないことに注意してください。
Tips:投入建築力
州ごとにひとつの施設に投入できる週あたりの建築力もおもに技術で増やせます。
基本 | 20 |
都市計画(T1) | +5 |
近代下水道(T2) | +5 |
鉄骨建築物(T3) | +5 |
エレベーター(T4) | +5 |
舗装道路(T5) | +10 |
(タタ社 | +10) |
最大50(タタ社を入れれば60)投入可能になりますので、パッチ1.5で増加した建築時間を縮めることができます。
Tips:雇用が進まないときは
パッチ1.5移行では雇用がなかなか進まないことがあります。そのときは次の3点を確認してみましょう。
- ①POP数は足りているか
- ②資格取得に×マークがついてないか
- ③生産性が低すぎないか
①は州の施設タブの右下の「失業者と百姓の合計数」を見て、施設の雇用を埋めるのに十分な人数がいるかどうか確認します。ここが数百人しかいなければ、移民を呼ぶか自然増を長い時間待つしかありません。
②は同じく州の施設タブの左下の「資格取得」がチェックマークになっているか、×マークになっているかを確認します。マウスオーバーすると内訳も出ます。よく見かけるのは資本家と士官の不足ですね。
資格不足の原因はいくつかありますが「識字率が低い」「そもそもPOP数が少ない」「差別がある」「急に特定の施設を建てすぎた」などがあります。対策としては、識字率は「社会的流動性の促進」布告を出すことで改善し、POP数の場合については①と同じです。差別については市民権と宗教の法を変更するしかありませんが、国によってはゲーム後半まで難しいかもしれません。特定の施設を建てすぎた場合は基本的に待つしかありませんが、兵舎などは製法をあえて下げることで高位の資格者の必要人数が減りますので一時的に製法を下げておくのも手です。
大学を建てるのも資格取得を早めますが、効果は大きくないので無理に建てるほどではありません。
③は現地価格の影響でよく見かけます。特に日本のような流通してない商品の生産を立ち上げるときなどは注意深いケアが必要です。伐採所を増産するため工具を使用、工具工房を増産するため鉄を使用、鉄を増産するため鉄鉱山を連続建築…と急いでやろうとすると軟材も鉄も工具も不足して、どの施設も採算が取れず雇用が増やせないから不足が続く、のは珍しいことではありません。 そうならないように「できるだけ同じ州内でサプライチェーンを完結させ」「需要と供給のバランスをなるべく保つ」ような建築計画が必要です。
また各施設では雇用ができないときにその理由をツールチップで表示してくれますが、必ずしも根本的な原因を示してくれるわけではありません。たとえば、POP数が少なかったり、資格がないと資格保持者を高給で奪い合おうとして「賃金が足りない」警告がでることがあります。①②③の原因をよく確認してみましょう。
参考:Ver1.5での日本の建築計画
建築をどう進めたらいいかの参考として日本を例に建築順リストを用意してみました。この通りに進めなければダメなわけではありませんので、あくまでひとつの参考としてください。
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